白茶とは - 白茶についての簡単なご紹介

白茶とは

 白茶は中国6大茶類-緑茶、紅茶、青茶(烏龍茶)、白茶、黄茶、黒茶-の一つであるとともに、中国茶類の中でも特別な珍品としての地位を有しています。白茶は微発酵茶に属し、保存期間が長くなればなるほどその栄養価も高くなり、「1年茶、3年薬、7年宝」と言われています。一般に中国茶の賞味期限は2年とされており、2年を越えるとどんなに良い茶でも風味が落ちてしまいますが、白茶の場合は異なり、普洱茶と同様に保存期間が長くなればなるほどその味とコクは深みを増します。一般に5年~6年ほど時間が経ったものは「老白茶」と呼ばれますが、10年~20年ものともなれば大変貴重なものとして珍重されています。例えば、2011年に上海で開催された「豫園国際茶文化芸術フェスティバル」のオークションでは、保存期間20年の、375グラムの福鼎老白茶の円盤が13万8,000元から取引がスタートし、18万8,000元という高値で落札されています。

 

白茶の独特な作用

 2008年から2010年にかけて、中国疾病予防コントロールセンター食品栄養・食品安全研究所と中国毒理学会食品毒理専門委員会とによる「福鼎白茶の免疫機能向上、血糖血脂低下作用」についての共同研究が行われ、福鼎白茶について動物の血糖低下、人体の血糖血脂低下の臨床医学観察が行われました。その結果、白茶には新鮮な茶葉に含まれる栄養分が比較的多く残っており、茶多糖、テアニン、フラボノイド類の物質に富んでいるところから、免疫機能の調整と増強の作用がある他、血圧、血糖値、コレステロール値を下げる作用があるとの報告がなされました。

 

白茶の種類

 白茶は摘み方により種類が異なります。芽茶(太姥銀針、白毫銀針)と葉茶(白牡丹、新工芸白茶、貢眉、寿眉)がある他、茶樹の品種により、小白、大白、水仙白の3種類に分かれます。つまり、白茶の主要産地である福建省福鼎にて摘まれたものを小白、大白茶樹から摘んだものを大白、そして水仙茶樹から摘んだものを水仙白と呼んでいます。そして大白茶樹の一芽だけを摘み製品としたものを白毫銀針と呼び、大白茶或いは水仙茶の茶樹の一芽や二、三葉を摘み製品としたものを白牡丹と呼んでいます。更に福鼎の茶樹から一芽や二、三葉を摘み製品としたものを貢眉、寿眉と呼んでいます。

 

■白毫銀針

 銀針或いは白毫とも呼ばれ、銀のように白く被われ、外見が針に似ているところからこの名前がつきました。白茶においては古来よりずっと最上級のものとされ、中国茶の中で「美女」、「茶王」と呼ばれています。

 なお、お釈迦様が説かれた法華経の中に、「眉間の白毫大人相の光を放ちたもう」という一節があります。仏の眉間に白く右に巻いた旋毛のことを指し、三十二相の一つに数えられるものです。説法の前にこの白毫から光が放たれたとされています。白毫銀針の名前に重ねて考えるとなんとも奥深いものが感じられ、白毫銀針が大変貴重なお茶であることが分かります。

 

■新工芸白茶

 新白茶とも呼ばれ、白茶に加工を加え、軽く揉んで作ります。外見は茶葉が軽く縮れカールし、褐色を帯びた深緑色をしており、味は濃厚で茶水の色は緑茶に似てはいますが、緑茶の持つさっぱりとした味わいはありません。

 

■白牡丹

 白牡丹の名前の由来は、緑の茶葉が銀白色の毫を挟み花のようであり、湯を注いだ後に緑の茶葉が芽を支え押し上げ、まるで蕾の初咲きのように見えるところからこの名前が付いています。白牡丹も白茶の中で上等品とされています。

 

■寿眉

 寿眉は菜茶(福建茶生産区における灌木茶樹の別称)品種から摘んだ短小芽と大白茶片とから作った白茶のことを指します。 


お薦めの飲み方あれこれ

飲み方 その1(一人で飲む際に適した飲み方)

 200ミリリットルの透明のガラスコップに3~5グラムの茶葉と90度の湯を少し注ぎ、先ず茶葉を洗い温め、香りを楽しみつつ、その湯を捨てた後に更に直接湯を注ぎます。茶を淹れる時間は好みに応じて調節します。

 

飲み方 その2(二人で飲む際に適した飲み方)

 蓋付きの湯呑茶碗に3グラムの茶葉を入れ、90度の湯を少し注ぎ、先ず茶葉を洗い温め、香りを楽しみつつ、その湯を捨てた後に、丁度、「功夫茶」の淹れ方のように、最初は30~45秒程度、その後は適宜時間を短くして淹れるます。このように淹れると白茶のさっぱりとした口当たりを楽しむことが出来ます。

 

飲み方 その3(ティーポットを使う飲み方)

 3~5人で飲む場合に適しています。5~6グラムの茶葉を入れ、90度の湯を少し注ぎ、先ず茶葉を洗い温め、香りを楽しみつつ、その湯を捨てた後に更に湯を注ぎます。45秒後には飲むことが出来ます。特徴は濃厚な味わいを楽しむことが出来ます。

 

飲み方 その4(大型のティーポットを使う飲み方)

 大勢で長時間飲む場合に適しています。10~15グラムの茶葉を大き目のティーポットに入れ、90~100度の湯を注ぎ、飲み終わったら湯を継ぎ足します。白茶は何度も淹れることが出来るので長時間飲むことが出来ます。さっぱりとした深みのある味わいがあり、朝から晩まで飲むことが出来、特に夏に家庭で暑気払いとして飲むのに適しています。

 

飲み方 その5(保健飲料)

 10グラムの3年以上保存した老白茶を直接水から煮出し、3分程度煮て濃厚な茶を淹れ、70度程度に冷めたところで氷砂糖か蜂蜜を入れ熱いうちに飲みます。喉の炎症や解熱、体調不良などの治療として飲むことが出来ます。夏には良く冷やして飲むことも出来、別の風味を味わうことも出来ます。

 

白茶の種類とそれぞれのお薦めの淹れ方

 1.白毫銀針の淹れ方
注意すべき点
・白毫銀針の茶は新芽を摘んで作られたもので細長くデリケートであり、水温は高すぎず90度前後が良いです。
・上等な銀針は白毫で覆われているため、直接茶葉にお湯を掛けるのではなく、ティーポット(グラス)の壁に沿ってお湯を注ぐようにします。
 こうすることで茶葉芽を損なうことなく、特に白毫が大量に取れてしまい、茶湯の色が変色するのを防ぎ、美観を損なうことがありません。白毫銀針の茶葉は細長くデリケートではありますが、茶の芽は肥えていて豊満であるため、茶のエキスが湯に滲み出す時間は比較的長く、何度も淹れることが出来、10回淹れても、味が薄くなるだけで茶湯には色があり、しっかりと白茶の味の余韻を味わうことが出来ます。 

 それと白毫銀針を淹れる際には、もう一つ秘訣があり、それはティーポットからグラスに注ぐ際、全てを注ぎきってしまうのではなく、約1/3は残しておき、そこに新たにお湯を足すというようにすれば、白毫銀針の味をずっと楽しむことが出来ます。

 

2.白牡丹の淹れ方

 白牡丹は芽と葉の双方を使ったものであり、芽は繊細、葉は大きくしっかりしています。お湯の温度は低すぎると茶の味が出にくく、高すぎると茶葉と芽を傷つけてしまいます。ガラス製のティーポットを使うのであれば、湯に浸かった茶葉を見て楽しむことが出来ます。こうしたところから、白牡丹では90度〜100度の間のお湯を使うのが適しています。その他の注意事項は白毫銀針と同じです。

 

3.貢眉或いは寿眉の淹れ方

 寿眉は主として茶の葉からのみ作られているため、その形は大雑把で、素朴な味わいがあり、淹れた茶湯の色は深い紅色で美しく、その味も芳醇で濃厚です。使うお湯の温度は沸騰したもの(100度)で、一度に多くを淹れることが出来ます。

 

4.新工芸白茶の淹れ方

 新工芸白茶は白茶のグループの中でも新しいものであり、その作り方も特殊なものです。味わいは濃厚で清々しい甘みがあり、福建省北部の烏龍茶に近いものがあります。工夫茶の淹れ方と同じようにしていただいて問題ありません。

 

5.円盤状の老白茶の淹れ方

  円盤状になった老白茶は圧力を加えて作るため、比較的固くしっかりしており、保存期間が長くなれば内部から自然に発酵が始まります。味わいは独特の深みがあり、沸騰したお湯(100度)で初めてその持ち味を十分引き出すことが出来ます。