2020上海国際茶・器生活博覧会 視察

 

 20201224日から27日までの間、上海世貿展覧館にて開催された“2020上海国際茶・器生活博覧会を覗いてきましたので、簡単にご紹介したいと思います。

 中国では、器は茶の父であり、水は茶の母であると言われ、同時に茶が器を育み、器が茶を興すというように、中国茶の文化は陶磁器芸術と溶け合って相互に良い影響を与え合ってきました。他方、古来より中国茶と陶磁器の双方は中国から世界へと向かう文化の使者として位置づけられており、更に上海は海上シルクロードの東の端に位置しています。

こうしたことを背景として、本展覧会は、上海市商務委員会の批准の下、上海国際茶・器生活博覧会組織委員会の主催、中国国際茶文化研究会、上海市中国陶磁器芸術家協会、中華茶人聯誼会宜興紫砂専門委員会、中国茶業交易中心、上海陶磁器博覧センター等々の協力を得て開催され、また展示範囲は、六大茶類(紅茶、緑茶、青茶(ウーロン茶)、黄茶、黒茶、白茶)、陶磁茶器、手工芸品、竹細工工芸品等々、多岐に亘っており、正に中国茶と陶磁茶器を中心として関連文化を広く紹介し交流するとともに、ブランド茶と高級陶磁茶器のオフライン取引機会の提供、中国茶と陶磁茶器双方の産業発展、その他関連産業のより一層の成熟などを目的として開催されました。

 展示会場では、勿論、福建省福鼎の白茶の専門ブースもありましたが、あくまでも上述の通り、中国六大茶類及び陶磁茶器並びに関連グッズの展示ということで、全体から見れば白茶の占める割合はかなり小さかったというのが実感です。会場内を歩いている内に、祁門紅茶のブースの前を通った際に、なぜか急に祁門紅茶が飲みたくなり、ブースに座って雑談をしつつ試飲をさせてもらいました。その際、祁門紅茶を専門に造っている主人が実は趣味で白茶を自作しているとのことで、それを試飲させて頂きました。その白茶は販売用ではなく、家族内だけで楽しみのために造って飲んでいるとのことで、普段福鼎老白茶を扱っている者としては、貴重な機会であり、また大変興味深く試飲させて頂きました。主人の話では余り熟成した味は好きではないとのことで、むしろ若い茶の味を楽しんでいるとのことでしたが、白茶に限らず一般に熟成のためにはやはり原料には良質の茶葉を使って造る必要がある、良質の原料でないと熟成後、容易に味、品質共に変質してしまい、極端に言えばとても飲む気にならないものになってしまうというコメントがあり、印象に残りました。 

 本来この展示会はB-B(業者-業者)のためのものではありますが、ほとんどのブースで希望すればその場で小売りもしてくれ、早速、その試飲させて頂いたブースで祁門紅茶を購入するとともに、別のブースで広東特産の陳皮を用いてローストした殻付き落花生をお茶のつまみに購入しました。

 

2020上海国際茶・器生活博覧会案内板

●会場内の様子1

●会場内の様子2

●会場内の様子3

●会場内では来場者との交流のためのサロンが設けられていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●祁門紅茶ブースの立看板

 

 

 

 

 

 

 

●祁門紅茶のブースで試飲させて頂いた祁門白茶

●会場で購入した祁門紅茶と落花生