新型コロナ禍が落ち着いた中国・上海では5月12日から15日までの間、上海茶博覧会が上海世貿展館で開催され参観してきました。前回は新型コロナ禍期間中であったため、来場者はかなり少なかったのですが、今回は平常に戻ったこともあり、大勢の来場者がありました。

 先ず入場するには、スマートフォンに身分証番号(外国人はパスポート番号)、氏名、携帯電話番号、顔写真を読み込むと写真のようなQRコードが登録され、この画面を入場時にスキャンで読み込むのですが、入場時の本人の顔とこのQRコードとともに登録された自分の顔写真とを照合して入場出来るという、いかにも中国らしいIT技術を駆使したやり方です。

 また入場して先ず目についたのが、老茶の古くて大きな包みというか塊で、写真にあるのは、四川省雅安の蔵茶だそうで、元々は長く包み保存しているものをアイスピックのようなもので削り・割いて飲用するということで味見をさせてもらいました。味は見た目とは違って甘いあっさりした感じでした。また場内ではお茶と関係した、茶を淹れる際に使うミネラルウォーターや陳皮、茶器を扱う企業や茶の自動包装機械の企業も出店しており、更には中国茶と関係のないパキスタンの工芸品を扱うブースまで出店されているなど、中国茶を中心とした一大イベントであることが分かりました。また茶を淹れる前にメディテーションをしてからパフォーマンスをするブースもあるなど、賑やかなお祭りといった感じです。当ウエブと同じ白茶を扱うブースも数多く出店しており、中国における白茶の人気の高さを表しているようでした。更には、とてもお茶には見えないスポンジをほどいたようなお茶を扱うブースもありましたが、調べたところ、これは張家界の茅岩莓というもので、藤のつるから採れたもので、莓茶或いは藤茶とも呼ぶそうです。中国では漢方の薬草で茶を作り飲む習慣があるところから、多くの植物の名前の後に“茶”の字をつけて●●茶というように呼びますが、本当の茶葉からつくったものではありません。各ブースでは一斤当たりの価格も表示されており、来場者がここで自分用に買うことも出来ます。

 新型コロナ禍が落ち着いたこともあり、上海ではこの後、7月、11月にも引き続きこうした茶博覧会が開催されることとなっていますが、都合がつけば是非覗いて来ようと思っています。